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【2025年版】不動産投資の確定申告と節税のコツを徹底解説

カテゴリー: 不動産投資

不動産投資は、安定した収入や資産形成の手段として注目されていますが、忘れてはならないのが確定申告です。初めての確定申告は、書類の準備や手続きなど、わからないことばかりで不安に感じる方も多いでしょう。

本記事では、不動産投資における確定申告の基礎知識から、具体的な手順、そして賢く税金を減らすための節税対策までを徹底的に解説します。

確定申告を正しく理解し、適切に行うことは、税務上のトラブルを避けるだけでなく、不動産投資をより有利に進めるための重要な一歩。確定申告をしっかり理解した上で準備を進め、節税のコツを掴んで不動産投資の収益性を高めましょう。

不動産投資と確定申告の基礎知識

不動産投資を通じて得られる所得は、所得税の課税対象となります。会社員であれば、通常は年末調整によって所得税が精算されますが、不動産所得がある場合は、自分で確定申告を行い、所得と税額を申告・納税する必要があります。

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、翌年の2月中旬から3月中旬(申告期限は年によって変動する)の期間に行います。そのため、物件を購入したその年度から、確定申告が必要になることは覚えておきましょう。

確定申告が必要となるのはどんな人?

確定申告

会社員でも確定申告が必要となるのは、以下の2種類の人です。

  • 給与所得以外の所得合計額が20万円を超える人
  • 給与所得が2,000万円を超える人

本記事では、副業として不動産投資を行っている人で、不動産所得が20万円を超えた人を対象に、説明を行います。

不動産所得とは?

不動産所得とは、不動産の賃貸や譲渡によって得られる所得のことです。確定申告においては、以下の計算式で算出されます。

不動産所得 =総収入金額 - 必要経費

総収入金額には、主に以下のものが含まれます。

  • 家賃収入: 入居者から受け取る毎月の賃料
  • 礼金・更新料: 契約時や更新時に受け取る一時金
  • 共益費・管理費: 入居者から徴収する共用部分の維持管理費用
  • 敷金・保証金の償却額: 退去時に返還しないことが確定した敷金や保証金のうち、一定期間に対応する金額

必要経費には、不動産所得を得るために直接的にかかった費用が含まれます。主なものとしては、以下のものが挙げられます。

  • 固定資産税・都市計画税: 所有する不動産にかかる税金
  • 損害保険料: 火災保険や地震保険などの保険料
  • 修繕費: 不動産の維持管理に必要な修繕費用
  • 減価償却費: 建物や設備などの固定資産の価値の減少分を費用として計上するもの
  • 借入金利子: 不動産購入のためのローンの利息部分
  • 管理委託費: 不動産の管理を管理会社に委託した場合の費用
  • 仲介手数料: 入居者募集や契約更新時に不動産業者に支払う手数料
  • 広告宣伝費: 入居者募集のための広告費用
  • 租税公課: 印紙税など、上記以外の税金
  • 水道光熱費: 共用部分の水道光熱費など
  • 通信費: 入居者との連絡などに要した費用
  • 旅費交通費: 物件の管理や打ち合わせにかかった交通費
  • 書籍費・研修費: 不動産投資に関する知識習得のための費用
  • 弁護士・税理士等の専門家への相談料: 確定申告や法務に関する相談料

これらの収入と経費を正確に把握し、計算することが、適正な確定申告を行うための第一歩となります。

経費に関しては次の記事でも詳しく説明していますので、参考にしてください。
不動産投資で認められる経費一覧&経費にできないもの

確定申告に必要な書類と経費の整理方法

確定申告をスムーズに行うためには、事前に必要な書類を揃え、経費を適切に整理しておくことが非常に重要です。ここでは、不動産投資の確定申告に必要な主な書類と、経費の整理方法について解説します。

収入に関する書類

不動産所得の収入を証明するための主な書類は以下の通りです。

  • 賃貸借契約書: 入居者との契約内容を示す書類。家賃、礼金、更新料などの金額や支払条件が記載されています。
  • 入金明細: 銀行口座の通帳コピーや入金明細書など、実際に家賃収入などが振り込まれたことを証明する書類。
  • 固定資産管理台帳(自主管理の場合): 家賃収入や共益費などを記録している帳簿。管理会社に管理を委託している場合は、管理会社からの報告書がこれに相当します。

これらの書類は、収入金額を正確に把握するために保管しておく必要があります。

経費に関する書類

経費書類

必要経費として計上する費用を証明するための書類は多岐にわたります。主なものを以下に挙げます。これらの書類は、税務署から提示を求められる可能性もあるため、きちんと整理・保管しておきましょう。

  • 領収書: 支払いの事実を証明する最も基本的な書類。日付、金額、支払先、内容が記載されているか確認しましょう
  • 請求書: サービスや物品の購入に対する請求書。支払いが完了したら領収書と合わせて保管します
  • 契約書: ローン契約書、管理委託契約書、保険契約書など、継続的な費用が発生する契約の内容を示す書類
  • 固定資産税・都市計画税の納付書: 納税額や納付日が記載された書類
  • 損害保険料の払込証明書: 保険会社から送付される保険料の支払いを証明する書類
  • 減価償却に関する書類: 不動産の購入価格、取得年月日、耐用年数などがわかる書類(売買契約書など)や、減価償却費の計算根拠となる書類
  • 借入金返済予定表: ローンを利用している場合、金融機関から発行される返済予定表。利息部分と元金部分が区分されているか確認しましょう
  • 管理会社からの報告書: 管理委託している場合、毎月の収支報告書や年間の管理報告書
  • 仲介手数料の支払明細: 不動産業者に支払った手数料の明細
  • 広告宣伝費の明細: チラシ作成費やインターネット広告費などの明細
  • 修繕費の見積書・請求書・領収書: 修繕内容と金額がわかる書類
  • 交通費の記録: 物件の視察や管理のためにかかった交通費の記録(日付、区間、目的などを記録)
  • 通信費の明細: 不動産投資に関する電話代やインターネット利用料の明細
  • 書籍費・研修費の領収書: 不動産投資に関する書籍やセミナー参加費の領収書
  • 専門家への相談料の領収書: 税理士や弁護士への相談料の領収書

注意点:

  • クレジットカードの明細は、領収書の代わりにならない場合があります。必ず店舗から発行された領収書を入手しましょう。
  • 領収書を紛失した場合は、支払いの事実を証明できる他の書類(銀行の振込明細など)で代替できる場合がありますが、基本的には領収書を保管するように心がけましょう。

    減価償却に関する書類

    減価償却

    建物や設備などの固定資産は、使用期間が長くなるにつれて価値が減少していきます。減価償却は、固定資産の価値の減少分を、耐用年数に応じて毎年費用として計上する会計処理のことをいいます。不動産投資においては、建物の購入費用は取得した年に全額を経費にすることはできず、この減価償却という方法で数年にわたって費用として計上していきます。

    減価償却費は、以下の数式で求められます。

    減価償却費 = 建物価格 ÷ 減価償却期間

    建物の減価償却費は、不動産所得の計算において重要な経費となります。減価償却費を計算するためには、以下の情報がわかる書類が必要です。

    • 不動産の売買契約書: 不動産の購入価格、建物の価格、土地の価格、取得年月日などが記載されています。
    • 建築確認通知書・設計図書: 建物の構造や延べ床面積などが記載されています。
    • 固定資産評価証明書: 建物や土地の固定資産税評価額が記載されています。減価償却費の計算に直接使用するわけではありませんが、参考情報となる場合があります。

    これらの書類に基づいて、建物の種類や構造に応じた耐用年数を用いて減価償却費を計算します。

    書類の整理・保管方法のポイント

    確定申告の際には、これらの書類を整理し、適切に保管しておくことが不可欠です。以下のポイントを参考に、日頃から書類の整理を心がけましょう。

    • 収入と経費で分ける: 収入に関する書類と経費に関する書類を整理して保管します。
    • 費目別に分類する: 経費に関する書類は、固定資産税、修繕費、管理委託費など、費目ごとにファイルや封筒に分けて保管すると、集計作業が楽になります。
    • 月別・年別に整理する: いつ発生した収入・経費であるかがわかるように、月別や年別に整理しておくと、後から確認しやすくなります。
    • デジタルデータも活用する: スキャンデータやクラウドストレージなどを活用して、書類を電子的に保管することも有効です。ただし、税務署から原本の提示を求められる場合もあるため、原本も大切に保管しておきましょう。
    • 帳簿付けを行う: 日々の収入や経費を帳簿に記録することで、確定申告書の作成がスムーズになります。会計ソフトなどを活用するのも良いでしょう。

    日頃からしっかりと書類を整理・保管しておくことで、確定申告の直前になって慌てることなく、スムーズに手続きを進めることができます。

    確定申告の具体的な手順と提出方法

    確定申告は、定められた期間内に、前年の所得とそれに対する税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。ここでは、不動産投資における確定申告の具体的な手順と提出方法について解説します。

    税務署

    確定申告書の入手方法

    確定申告書にはいくつかの種類がありますが、不動産所得がある場合は、確定申告書Bを使用します。確定申告書は、以下の方法で入手できます。

    • 税務署で直接受け取る: 最寄りの税務署の窓口で入手できます。
    • 国税庁のWebサイトからダウンロードする: 国税庁のWebサイト(https://www.nta.go.jp/)からPDF形式でダウンロードし、印刷して使用できます。
    • 確定申告書作成コーナーで作成・印刷する: 国税庁のWebサイト内の「確定申告書作成コーナー」で、画面の案内に従って入力することで確定申告書を作成し、印刷できます。

    確定申告書の記載方法(不動産所得の計算など)

    確定申告書Bには、所得金額や所得控除、税額などを記載する欄があります。不動産所得に関する主な記載箇所は以下の通りです。

    • 1. 収入金額等:
      o 不動産(ア): 家賃収入、礼金、更新料、共益費などを合計した金額を記載します。
    • 2. 所得金額:
      o 不動産所得(1): 「収入金額等」から「必要経費(2)」を差し引いた金額を記載します。必要経費の内訳は、確定申告書Bの裏面や、別途作成する収支内訳書に記載します。
    • 3. 所得控除: 生命保険料控除、社会保険料控除、扶養控除など、該当する所得控除額を記載します。これらの控除額は、所得金額から差し引かれ、課税対象となる所得を減らします。
    • 4. 税金の計算: 課税される所得金額に税率を掛けて所得税額を計算します。住宅ローン控除など、税額控除がある場合は、計算された所得税額から控除します。
    • 5. その他: 住民税に関する事項や、還付金を受け取る口座などを記載します。

    不動産所得の内訳明細書(収支内訳書)の作成

    不動産所得がある場合、確定申告書Bと合わせて収支内訳書を作成・提出する必要があります。収支内訳書には、年間の家賃収入や必要経費の内訳を詳細に記載します。

    • 収入の内訳: 物件ごとの家賃収入、礼金、更新料などを記載します。
    • 必要経費の内訳: 固定資産税、損害保険料、修繕費、減価償却費、借入金利子など、費目ごとに金額を記載します。減価償却費の計算明細なども記載します。

    収支内訳書は、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。確定申告書作成コーナーで作成する場合は、画面の案内に従って入力することで作成できます。

    賢く正しく税金を減らす不動産投資の節税対策

    節税

    不動産投資における確定申告は、単に税金を納めるだけでなく、賢く対策を講じることで税負担を軽減し、手元に残る資金を増やすチャンスでもあります。ここでは、不動産投資で活用できる主な節税対策について解説します。ただし、税法は頻繁に改正されるため、常に最新の情報を確認し、税理士などの専門家にも相談することをおすすめします。

    青色申告を活用する

    不動産所得がある場合、確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告は、一定の帳簿付けを行うことで、様々な税制上の優遇措置を受けることができる制度です。

    青色申告の主なメリット

    • 青色申告特別控除: 不動産所得の規模や帳簿の種類に応じて、最大65万円(e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行っている場合)または55万円の控除を受けることができます。白色申告にはこの控除はありません。
    • 青色事業専従者給与: 配偶者や親族で、事業に専ら従事している人に支払った給与を必要経費として計上できます。白色申告では、事業専従者控除という上限のある控除しか認められません。
    • 純損失の繰越と繰戻し: 不動産所得で損失(赤字)が出た場合、その損失を翌年以降3年間に繰り越して、将来の所得から差し引くことができます。また、前年分の所得税額から繰り戻して還付を受けることも可能です(繰戻しは原則として前々年まで)。白色申告では繰越のみが可能です。
    • 貸倒引当金: 不動産賃貸業において、将来の家賃の滞納による損失に備えて、一定の金額を必要経費として計上できます(一定の要件あり)。

    青色申告を行うためには、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。原則として、青色申告を行いたい年の3月15日まで(その年の1月16日以降に新たに事業を開始した場合は、事業開始日から2か月以内)に提出が必要です。

    損益通算を活用する

    不動産所得で損失(赤字)が出た場合、その損失を給与所得や事業所得などの他の所得と合算して、所得税額を減らすことができます。これを損益通算といいます。

    例えば、年間の家賃収入よりも必要経費が上回り、不動産所得がマイナスになった場合、そのマイナス分を給与所得から差し引くことで、課税対象となる所得金額を減らすことができます。

    ただし、損益通算が認められるのは、不動産所得を生み出す事業が「事業所得」に該当する場合や、「不動産所得」の範囲内の損失に限られます。趣味的な不動産投資や、別荘などのように収益を目的としない不動産の損失は、損益通算の対象とならない場合があります。

    専従者給与を活用する

    青色申告を選択している場合、事業主の家族で不動産投資事業に専ら従事している人に支払う給与を、適正な範囲内で必要経費として計上することができます。これにより、所得を分散させ、世帯全体の税負担を軽減することができます。

    専従者給与として認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

    • 青色申告者の配偶者または親族であること
    • その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
    • その青色申告者の事業に専ら従事していること
    • 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出していること
    • 支払われた給与が、その従事者の労務の対価として相当であると認められる金額であること

    修繕費を資本的支出と区分して活用する

    不動産の維持管理にかかる費用は、原則として修繕費として必要経費に計上できます。しかし、不動産の価値を高めたり、耐久性を増したりするような支出は資本的支出とみなされ、一括で経費にすることはできず、減価償却を通じて数年にわたって費用化する必要があります。

    修繕費と資本的支出の区分は、税務調査で指摘されやすいポイントの一つです。明確な基準はありませんが、一般的には以下の考え方で区分されます。

    • 修繕費: 原状回復のための費用(例:壁の塗り替え、破損した箇所の修理など)。
    • 資本的支出: 不動産の価値や機能を向上させるための費用(例:増築、リフォーム、設備のグレードアップなど)。

    減価償却費を活用する

    減価償却費の計算方法は、建物の種類や構造、取得年月日などによって異なります。適切な耐用年数と償却方法(定額法または定率法)を選択し、正しく計算することが節税につながります。

    特に、中古の不動産を購入した場合、建物の耐用年数を適切に見積もることで、より多くの減価償却費を計上できる可能性があります。専門家の意見を聞きながら、有利な償却方法を選択しましょう。

    税制上の特例を活用する

    不動産投資に関連する税制上の特例措置が設けられている場合があります。例えば、特定の地域での投資に対する税制優遇措置や、特定の条件を満たす不動産の取得に関する特例などです。これらの特例措置を適切に活用することで、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。常に最新の税制情報を収集し、利用できる特例がないか検討しましょう。

    まとめ

    本記事では不動産投資を始めた人が行う確定申告と、節税のコツについて、あすかタックス&コンサルティングが説明しました。不動産投資の確定申告や節税対策は複雑で、専門的な知識が必要となる場合も少なくありません。確定申告に不安を感じたり、どのような節税対策が自分に合っているのかわからない、などの悩みをお持ちの方は、ぜひあすかタックス&コンサルティングの無料相談をご活用ください。

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    代表 石井 輝光

    貴社の社長にも質の高い国の経営改善・M&Aの認定機関として経営改革、資本性ローン等、地主・大家さんのタックス&コンサルティング、顧問等の支援を通してお伝えします。
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