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PDCAを関連書籍で徹底理解!法人こそ目標達成に活用しよう
PDCAは「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」というサイクルを回していくことで、継続的に業務改善を行うビジネスフレームワーク(課題解決のための公式)です。多くのビジネスマンが1度は耳にしたことがあるほど有名なフレームワークですが、有名過ぎて「今さらPDCAですか? 古くないですか?」という声もあります。
トヨタ自動車を始めPDCAを業務改善に取り入れ、成功を収めている会社は数多くあります。しかし、うまく回せていない会社はさらに多いのです。うまく回せていないことが「古い」という批判につながっているのかもしれません。本記事では、なぜPDCAが今なお有効であるかを説明し、PDCAの理解の助けになる関連書籍を紹介します。
「PDCAを経営に活かそう!メリット・デメリットもご紹介」もあわせて参考にしてください。
PDCAはもう古い?
PDCAは1950年代、「品質管理の父」と呼ばれたエドワーズ・デミングが考案し、日本に伝えた品質管理の考え方が元になっています。この品質管理の思想を根幹に置いた日本の製造業は世界的に高い評価を受けました。また、デミング博士の哲学に影響を受けたトヨタ生産方式は体系化され、80年代にはアメリカの製造業にも逆輸入されました。
一方、アメリカではデミング博士がPDCAサイクルを経営戦略の分野にまで発展させ、1980年代以降はPDCAサイクルが改善プロセスのフレームワークとして広く認知されるようになりました。現在では、PDCAサイクルは、品質管理や経営戦略の分野にとどまらず、様々な分野で活用されています。
しかし、誕生から半世紀以上が経過したPDCAはもう古いという指摘もあります。その背景には、次のような理由があります。
- PDCAでは想定外の事態に対処できない
- PDCAはイノベーションを生み出せない
- PDCAを実際に回すのは難しい
しかし、この批判は決してPDCAが古く使えなくなったという意味ではありません。PDCAは現代のビジネス環境の中でも活用されています。
PDCAでは想定外の事態に対処できない⇒別の手法を組み合わせて対処できる
この批判の背景には、PDCAが最初に提唱された時代は、現在のように急速に変化する社会ではなかったという指摘があります。リーマンショックや情勢や環境の急変に対応できないという批判があります。
しかし、PDCAサイクルには、新しい手法や技術を取り入れ、組み合わせながら活用できるという柔軟性があります。シリコンバレーのIT起業家も、アジャイルやリーンスタートアップという新しい手法をPDCAと組み合わせて開発を行っています。
PDCAはイノベーションを生み出せない⇒PDCAのプロセスで新しいアイデアや手法が生まれる可能性がある
PDCAサイクルは既存のプロセスや製品の改善に効果を発揮するフレームワークです。一方で、イノベーションは、既存のものを打ち破るような創造的なアイデアや手法を取り入れることで実現されます。そのため、PDCAは直接的にイノベーションを起こす方法ではありません。
しかし、PDCAサイクルを実施することで、会社の現状の課題や問題点が明確になります。また、改善に向けての仮説検証プロセスで、新しいアイデアや手法が発見される可能性もあります。また、先述のように別の手法を組み合わせることで、イノベーションを起こすことは十分可能です。
PDCAの実践は難しい⇒まず経営者が学ぶ
PDCAのフレームワークは、実際に実行するのは難しいと言われています。PDCAを業務改善のために実行するためには、従業員全体がPDCAを理解し、PDCAを通じた業務改善の必要性を共有し、実行に向けての意識改革が必要だからです。この課題を克服するためには、まず、経営者自身がPDCAの理念や手法について深い理解を持つ必要があります。
PDCAを学ぶ! 9冊の関連書籍を紹介
PDCAに関連する本を読むことで、PDCAを体系的に理解できるだけでなく、先人が試行錯誤しながら実践した成功事例も知ることができます。忙しい経営者でも読みやすく、PDCAを導入する上でのノウハウを知ることができる本を紹介します。
PDCAの理論と実践が基礎からわかる
鬼速PDCAシリーズ
『鬼速PDCA』
『図解 鬼速PDCA』
『まんがでわかる鬼速PDCA』
PDCA関連書籍の中でも、10万部を突破するなど圧倒的な知名度を誇る『鬼速PDCA』。著者はPDCAを「前進を続けるフレームワーク」であるとしています。高速を超える「鬼速」でPDCAを回すことを通して、会社や部署、個人が圧倒的なスピードで成果を出し続けることができる、としています。
オリジナルのほか、要点を図解した図解版、読みやすいまんが版があります。また、オリジナル版はオーディオブックもあるため、自分のライフスタイルに合った版を利用できます。
『PDCAマネジメント』(稲田 将人著 日本経済新聞出版社)
PDCAを経営に活かすことに焦点を当て、主要業務で確実に業績を上げるための具体的な方法が紹介されています。会社の経営者や組織のリーダーを想定して書かれた本です。
実践しながら学びたい
日々の業務の中で、本に出てくるノウハウを実践しながら学べる本を2冊紹介します。
『小さな会社の売上を倍増させる最速PDCA日報』(中司 祉岐著 日経BP)
地方の中小零細企業が、毎日の日報を使ってPDCAを回し、業務改善につなげた事例が詳しく紹介された本です。手書きの日報なら、今日からでも始められると思いませんか? 小さな会社の事例が豊富に紹介されているのも興味深いポイントです。
『毎月目標達成できるPDCA営業』(亀田啓一郎・石田幸子著 秀和システム)
トップセールスパーソンがPDCAを営業活動の中でどのように行っているかを「戦略」「戦術」「商談」の3つのレベルで解説してあります。明日からの営業活動に直接役立つPDCAのノウハウを知ることができます。
成功事例からPDCAが学べる
成功事例を学ぶことを通して、自社が同じように成功を収めるためのヒントを得ることができます。PDCAの実践を通して成長した企業の本を紹介します。
『トヨタのPDCA+F 世界No.1企業だけがやっている究極のサイクルの回し方』(桑原 晃弥著 大和出版)
『トヨタのPDCA+F 世界No.1企業だけがやっている究極のサイクルの回し方』
PDCAにフォローのFをプラスすることによって、PDCAサイクルを継続して回すというのが、トヨタ式カイゼンの特徴です。製造現場にとどまらない、あらゆる業務効率化に役立つノウハウが紹介されています。
『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』(松井 忠三著 毎日新聞出版社)
『無印良品のPDCA 一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』
業績不振に陥った無印良品は、2001年、同社社長に松井忠三氏が就任するとともに、V字回復を遂げます。松井氏が進めた構造改革の手法がPDCAを活用したものでした。無印良品のPDCAの方法を知ることができます。
『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA―終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術』(三木雄信著 ダイヤモンド社)
『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA―終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術』
著者はソフトバンクの社員として、孫社長の下で仕事をしながら、PDCAを実践してきました。毎日PDCAを回してきた著者の仕事術を学べる本です。
PDCAを実行する上で知っておきたい
PDCAを実行する際に知っておきたい知識が得られる本を紹介します。
『新版 2時間でわかる 図解KPIマネジメント入門』(堀内 智彦著 あさ出版)
PDCAのP(計画)では、数値目標を設定することが重要です。しかし、会社の利益向上に直結する目標数値をどのように選んだらいいのかは簡単ではありません。本書はKPI(最終目標を達成するまでの中間指標)をどのように設定するか、図解で分かりやすく説明してあります。
『図解 目標管理入門 マネジメントの原理原則を使いこなしたい人のための「理論と実践」100のツボ』(坪谷 邦生著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『図解 目標管理入門 マネジメントの原理原則を使いこなしたい人のための「理論と実践」100のツボ』
数値目標だけでなく、目標全般について理解を深め、組織を作るうえで参考になる本です。興味のあるところから読み始めることができます。
法人こそPDCAで目標達成しよう
PDCAが品質管理の方法として日本の製造業を支えてから半世紀以上が過ぎ、今日ではPDCAが「古い」と指摘する声もあります。しかし、PDCAは計画を立て、実行し、振り返って評価を行い、改善するという非常に根本的な手法であるため、逆に古くならないフレームワークでもあるのです。
現在では、個人の目標達成などにも活用されていますが、PDCAの真価は組織全体で取り組むことによって得られる成果にあるといえます。PDCAを通じて業務改善に成果を上げることは、簡単ではありません。まずは経営者が本などを通じて深く理解しましょう。また、自社の現状を理解し、同種の会社を成功に導いた実績ある専門家の支援を受けることも検討してください。
代表 石井 輝光
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