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自社ビルを保有して永続的に繁栄するには?
御社のビルは自社ビルですか? それとも賃貸ですか? 企業にとって、多額の投資が必要となる自社ビル保有は大きな決断です。また、近年は経費削減目的で、保有している自社ビルを手放す企業も少なくありません。
しかし、自社ビルを保有するメリットを考えてみませんか? 賃貸オフィスでもリース料は支払い続けなければなりません。しかも、そのリース料は自社の資産に価値をもたらすことはありません。
本記事では、自社ビルとは何かを整理した上で、保有するメリットとリスクを説明します。そして永続的に繁栄するためのスキームについて詳しく解説します。
自社ビルとは
自社ビルとは、自社の事業活動のために所有・使用する建物のことを指します。オフィスビル、店舗、倉庫など、業種や規模に合わせて様々な形態の自社ビルが存在しますが、多くの企業にとって「自社ビル」というと、事業の拠点となるオフィスビルを指すことが一般的でしょう。
自社ビルを保有する企業の割合は?
少し古い統計ですが、2013年にCBRE が発表した調査では、東京23区内に本社を持つ上場企業1,720社のうち、自社ビルに本社を置く企業は26%、賃貸ビルに本社を置く企業は74%であることが明らかにされています。
さらに、業種別に見ると、自社ビルの割合が高い企業は、食料品や製造業、建設業であるのに対し、賃貸ビルの割合が高いのは、情報通信やサービス、金融業となっています。メーカーなどの大企業や老舗企業は自社ビルを保有し、情報通信やサービス業などの入れ替わりの激しい新興企業は賃貸ビルを活用する傾向があるようです。
自社ビルをめぐる新しい動き
企業の経費削減意識の高まりや、コロナ禍を契機としたリモートワークの普及などもあって、近年では、自社ビルの保有を見直す企業も増加しています。東京商工リサーチの調査 では、2022年度、国内不動産の売却を開示した企業は114社にのぼり、15年ぶりに100社を超えました。
一方、生命保険各社のように、日本各地に自社ビルを建設し、一貫して自社ビルを保有している業界もあります。自社ビルを保有するのが良いのか、賃貸にするのが良いのか、さらに詳しく見ていきましょう。
自社ビルを保有するメリットとリスク
自社にとって、自社ビルを保有するか、賃貸を続けるかは、企業の今後の経営にも関わってくる重要な問題です。その問題を検討するために、自社ビルを保有することで得られるメリットとリスクを把握しなければなりません。
自社ビルを保有することで得られる6つのメリット
メリットには次のようなものがあります。
1.安定したオフィス環境が維持できる
賃貸の場合、毎月の賃貸料がかかるだけでなく、契約更新時の賃貸料の値上げ、また、インフレなどの外部要因による値上げなども想定されます。自社ビルの場合、そのような懸念がなく、安定したオフィス環境を維持できます。
2.ランニングコストを抑えることができる
賃貸の場合は、毎月の賃貸料がかかるほか、共益費や修繕費なども必要になります。自社ビルの場合、賃貸と比較して、毎月のランニングコストを大きく抑えることができます。
3.自由に設計・改装ができる
賃貸オフィスでは自社が希望するような設計は望めませんが、自社ビルなら設計も改装も、ニーズに合わせて自由にできます。従業員が働きやすいようにレイアウトや動線を設計したり、快適なインテリアなどを配置したりすることで、従業員のモチベーションを高めることもできます。
4.従業員の一体感や帰属意識が生まれる
従業員のニーズに合わせた設計やレイアウトを行うことで、従業員の満足度を向上させることにもつながります。また、「あのビルで働いている」と誇りをもって社外の人に伝えることで帰属意識が形成されます
5.対外的な信用度が高められる
自社ビルを保有することで、企業としての信頼性や安定感をアピールできます。
生命保険が創業間もない時代に自社ビルを建てたのは、立派なビルを建てることで、顧客に信頼性をアピールする目的がありました。立派なビルを通して保険契約をした顧客に、強固な財務基盤があることを示したのです。このように自社ビルは、企業の一貫したメッセージを対外的に伝えるものであり、同時にそのメッセージは企業のイメージアップにもつながります。
6.自社ビルを通じて資産形成できる
自社ビルは固定資産として計上され、金融機関による融資の審査の際には担保となり、融資を受けやすくなります。
また、自社がオフィスとして使う意外に、余分なスペースを賃貸オフィスとして貸し出し、賃料収入をえることもできます。また、将来的に売却する際には、売却益を得ることになります。自社ビルは資産として、企業の本業を支える収入源ともなります。
自社ビルを保有するリスク
一方で、自社ビルを保有することは、以下のようなリスクを抱えることにもなります。そのリスクを回避できるよう、しっかりした計画が必要です。
1.多大な初期投資が必要
自社ビルを保有するには、土地を購入しビルを建設する方法と、中古のビルを購入する場合があります。更地を購入して自社ビルを建設するには多額の費用がかかりますが、中古のビルを購入するにしても大きな出費となります。また、自社ビルの建設費用は経費として計上できますが、土地を購入した場合は税金の支払額が増加する点も見ておかなければなりません。
購入を検討する場合は、入念な資金計画と、購入後のキャッシュフローの計算が必須となります。
2.メンテナンス費用がかかる
経年劣化によるメンテナンス費用や、建物の修繕費などが発生します。
3.完成まで時間がかかる
中古のビルを購入した場合でも移転などに時間がかかりますが、自社ビルを建設する場合には、さらに長期間を要します。
4.賃貸オフィスとして貸し出す場合は空き室リスクが発生する可能性がある
自社ビルの一部を貸し出して運用しようと考えた場合、外部環境によっては賃貸の運用がうまくいかない可能性もあります。
自社ビル保有で永続的に繁栄するスキーム
自社ビルを保有して永続的に繁栄するためには、以下の点に注意し、スキームを構築する必要があります。
1. 事業計画と整合した財務計画を立てる
自社ビル保有を成功させるためには、事業計画との整合性が最も重要です。事業計画と乖離した自社ビルは経営に大きな負担となり、永続的な繁栄を阻害する可能性があります。
ステップ1:事業計画に基づき、必要なビルの規模を検討する
今後の事業計画に合わせて、オフィスのスペースや設備を決定します。事業規模の拡大にあわせて人員増を計画しているのであれば、将来の人員配置にあわせて必要な執務スペースを算出します。
ステップ2:事業計画と整合する財務計画を立てる
初期投資として、自社ビル建設・購入に必要な資金を調達するための財務計画を立てます。さらに、賃料、固定資産税、修繕費などの固定費を事業計画に織り込みます。
2. 収益計画を立てる
空いたフロアを賃貸オフィスとして貸し出したり、駐車場を貸し出したりするなどの収益計画を立てます。オフィスの貸し出しを行うことで、本業に連動しない収益の柱を持つことができます。
3. 長期的な視点で検討する
新築ビルでも10年~20年後には、外壁塗装、壁面や床面の補修など、大規模な修繕が必要です。また、将来的に近隣の再開発が予定されている地域は、その影響も計画に含める必要があります。
4. 専門家に相談する
自社ビル保有については、税理士や不動産鑑定士、建築士、弁護士など、専門家のアドバイスが必要です。専門家と連携することで、事業計画はより確実なものになるでしょう。
まとめ
本記事では自社ビル保有について、あすかタックス&コンサルティングが解説しました。自社ビルを保有するためには、巨額の資金が必要になり、企業としても慎重な検討が求められます。しかし、本記事では、自社ビルの保有は、企業の社会的信用度の形成や、イメージアップなど、数量化できない大きなメリットがあることも説明してきました。
自社ビル保有は、メリットとリスクを勘案し、また堅実な資金計画が必要なため、専門家のアドバイスが欠かせません。自社ビル保有を検討している経営者は、ぜひ、あすかタックス&コンサルティングにご相談ください。自社ビル保有に必要な専門家もあわせてご紹介します。自社ビル保有を検討する経営者は、ぜひ無料相談をご利用ください。
代表 石井 輝光
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