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インバウンドマーケティングが有効な業種と具体的な手法を教えます

カテゴリー: マーケティング

競争が激化する現代のビジネスで、顧客の心を掴み、競合他社との差別化を図るためには、新しいマーケティング手法の導入が欠かせません。その中でも注目を集めているのがインバウンドマーケティングです。

顧客の関心やニーズに基づいて価値ある情報を提供し、自社のホームページを顧客の「お気に入り」にしてもらうことで、効果的な集客や見込み客の獲得が可能になります。本記事では、インバウンドマーケティングが有効なビジネスの特徴や業種、成功事例を紹介し、インバウンドマーケティングの始め方について解説します。

インバウンドマーケティングが有効なビジネスの特徴

インバウンドマーケティングは幅広い業種で活用できますが、次のような特徴を持つビジネスは特に効果的です。

1. 長期的な関係構築を重視する

インバウンドマーケティングは、顧客との長期的な関係構築を重視する手法です。有益な情報を提供することで自社のホームページに集客し、リピーターになってもらうことで顧客の購買意欲を自然に高め、購入後も引き続き顧客との信頼関係を構築することで、リピーターやブランドの支持者を生み出すことを目的にしたマーケティングです。そのため、売り切り型のビジネスではなく、顧客との長期的な関係構築を目指すビジネスに適しています。

2. 顧客のニーズや関心に焦点を当てた情報提供ができる

インバウンドマーケティングは、顧客のニーズや関心に合わせた情報やコンテンツを提供することが不可欠です。顧客の困りごとや関心事に対して価値を提供し、信頼性と専門知識がアピールでき、役立つ情報やソリューションを提供できるビジネスであれば、インバウンドマーケティングは大きな効果を発揮できます。

3. 購買サイクルが長い製品やサービスを提供している

インバウンドマーケティングは、購買サイクルが長いビジネスに対応することができます。顧客が情報を収集し、比較検討を行い、検討期間を経て購買に至る場合、インバウンドマーケティングは効果的です。

これらの特徴を持つビジネスは、インバウンドマーケティングを活用して顧客と息の長い信頼関係を築き、成果を上げることができます。

インバウンドマーケティングが有効な業種と成功事例

インバウンドマーケティングが有効な業種と、インバウンドマーケティングで大きな成功を収めている企業が運営するホームページを紹介します。

Eコマース

インターネットでの買い物が消費者に浸透するにつれ、ECサイトの重要度が増しています。しかし、ECサイトを簡単に開設できるプラットフォームも増えているため、数多くのECサイトの中から際立つことは容易ではありません。そこで、最初に有益な情報を提供し、自然な形で購買意欲を喚起させながら、ファンを育てていくというインバウンドマーケティング戦略は、Eコマースを展開する上で有効です。

北欧、暮らしの道具店®(株式会社クラシコム)

株式会社クラシコムが提供する「北欧、暮らしの道具店®」は、北欧食器のECサイトとしてスタートしましたが、やがてホームページを「雑誌のように読んで楽しめる場」とすることで、16期連続で増収・増益を達成、2022年7月期には51億円の売上高を達成しています。それをけん引しているのが、特集やコラムなど、直接販売にはつながらないようなコンテンツです。もっと読みたくなるようなコンテンツを用意することで、世界観に共感し、商品を購入した後もファンとなり続けるように、ECサイト、SNS、アプリ、メルマガなどさまざまなメディアを通じてインバウンドマーケティングを展開しています。

BtoB(企業間取引)

製品やサービスを購入する企業は、あらかじめホームページを通じて情報を入手し、比較・検討した上で、購入の最終段階に、販売企業や代理店に連絡し、見積もりや提案を依頼するという形式をとるケースが増えています。BtoB企業がインバウンドマーケティングを活用することで、価値あるコンテンツで専門性をアピールし、購買意欲の高いリード(見込み客)を生み出し、潜在的な顧客からの信頼と信用を築くことができます。

ばね探訪(東海バネ工業株式会社)

東海バネ工業は大阪に本社があり、兵庫県豊岡市に工場を持つメーカーです。完全受注生産方式で、さまざまな形状のバネを顧客の求めに応じて1個からでも製造。同社の高い技術力は国産ロケットにも使われています。

東海バネ工業では、自社製品の紹介などを行う自社ホームページに加えて、「ばね探訪」というユニークなホームページを運営しています。このホームページが主に取り上げるのは、取引先の事業です。「ものづくり」に携わる取引先の事業を丁寧に取材し、読み応えのある記事として提供することで、ばねを通じてこの会社が多くの企業の課題を解決してきたかもあわせて理解できるようになっています。

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)

SaaSとは、インターネットを通してクラウドにアクセスすることで、ユーザーが利用できるサービスを指します。クラウドサービスで、多くはサブスクリプション(月額定額制)で利用できるため、初期費用を抑え、解約も容易であることから利用者が広がっています。

インバウンドマーケティングはオンラインチュートリアルや教育的なコンテンツを通じてリードを獲得し、育成することができるため、SaaSにとって効果的な戦略です。

サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

サイボウズ株式会社はグループウェア「サイボウズOffice」や業務アプリを作成できる「kintone」などを手掛けるソフトウェア開発会社です。サイボウズはホームページ「サイボウズ式」を核としたインバウンドマーケティングを活用しています。

「サイボウズ式」は、「新しい価値を生み出す、チームのためのコラボレーションとIT情報サイト」という位置づけで、ワークライフバランスや新しい働き方をテーマにしたコンテンツが豊富に用意されています。直接製品PRを行わない、「製品を売らない」というユニークなコミュニケーション方法を通じて、SNSなどを中心に幅広い認知を獲得しました。

ニッチビジネス

専門的な市場やニッチな市場で事業を展開する企業は、インバウンドマーケティングを活用して、特定のターゲット層にアプローチすることができます。価値あるコンテンツを提供することで、業界の専門家としての地位を確立し、独自の製品に興味を持つ顧客を引きつけることができます。

Device Plus(ローム株式会社)

「Device Plus」は半導体や電子部品を手掛けるローム株式会社が運営するホームページです。「エンジニアライフにプラス1の情報を」をコンセプトとして、ラズパイ(マイクロコンピューター)やロボット、先端技術など、アマチュアから専門技術者までが楽しめる豊富なコンテンツが用意されています。

プロフェッショナルサービス

病院や法律事務所、コンサルティング会社、会計事務所などの企業では、困りごとを抱えたユーザーに向けた有益なコンテンツや事例の紹介、メールマーケティングなどを活用したインバウンドマーケティングの展開によって、認知向上や顧客の獲得と維持につなげることができます。

チェンジ喘息!(アストラゼネカ株式会社)

「チェンジ喘息!」はアストラゼネカ会社が運営するホームページです。医師監修による喘息についてのさまざまな情報や、薬や治療法、チェックシートなど、喘息に悩む多くの人にとって有益な情報が掲載されています。一般の消費者にはなじみのない処方薬メーカーの企業認知を高め、病気に悩む人との信頼関係を構築する効果を上げています。

インバウンドマーケティングの具体的な手法

インバウンドマーケティングは具体的にどのようなことを行うのかを見ていきましょう。インバウンドマーケティングでは一般的に以下のステップで行われます。

  • コンテンツを提供する
  • コンテンツを見つけてもらう(SEO)
  • 継続的にコンタクトを取り、購入につなげる
  • 購入後も有益な情報を提供し、ファン化する
  • 顧客にSNSなどで口コミを広げてもらう

1. コンテンツを提供する

コンテンツとは「顧客や潜在的な顧客にとって有益で説得力のある情報」のことです。企業は、顧客の困りごとや知りたいこと、関心があることについて、自社ホームページのブログやホワイトペーパー、動画、アプリ、Webマガジン、SNSばかりでなく、オフラインのイベントや書籍などのコンテンツを通じて、顧客にとって有益な情報を提供します。

2. コンテンツを見つけてもらう(SEO)

インターネット上にあふれている情報の中から自社のコンテンツを見つけてもらうために、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization = SEOと略)を行います。顧客が関心を持つキーワードやトピックで検索した際に、自社のホームページやコンテンツが上位に表示されるように対策を行います。これにより、顧客が自発的に自社のホームページを訪れる機会を増やします。

3. 継続的にコンタクトを取り、購入につなげる

企業のコンテンツに興味を持った顧客に、定期的に情報を送ることができるようにメールアドレスを登録してもらうよう促します。メールアドレスをもとにメールマーケティングを活用して、顧客との関係を深めます。情報提供や特典の案内、個別のニーズに合わせたメッセージを送ることで、顧客との関係を強化し、購買意欲を喚起します。

4. 購入後も有益な情報を提供し、ファン化する

顧客が製品やサービスを購入した後もサポートを行い、メールやニュースレターなどを通じて継続的に顧客とコンタクトを取ります。例えば製品やサービスの活用法や一緒に利用することでさらに便利になる製品の紹介などの情報を定期的に提供します。また、SNSを通じて顧客のアイデアを募集・紹介するなど、顧客を巻き込んだ情報発信も多くの企業で行われています。

5. 顧客にSNSなどで口コミを広げてもらう

自社のファンとなってくれた顧客がSNSなどで口コミや、実際に使用している画像や動画の発信がしたくなるような企画や仕組みを作ります。企業が発信するコンテンツよりも、ユーザーが自発的に発信するコンテンツの方が一般の消費者には届きやすいため、企業の認知度の向上にもつながります。

MA(マーケティングオートメーション)を叶えるツール紹介

インバウンドマーケティングを実施する上で欠かせないのがMA(マーケティングオートメーション)です。MAは事前にシナリオを設定すれば、顧客に合わせた情報を適切なタイミングで、自動的に配信することが可能です。数多くの顧客や見込み客の興味・関心や、ホームページ上での閲覧行動に合わせたコミュニケーションを実現するMAの中でも、中小企業向け、初心者でも使いやすいツールを紹介します。

HubSpot (HubSpot)

「インバウンドマーケティング」という言葉を生み出したのがHubSpotです。無料で利用できるCRMと一緒に企業規模に合わせたMAのほか、ウェブサイト制作などインバウンドマーケティングに役立つさまざまな機能が利用できます。低価格プランでも使える機能が多く、サポートが充実しています。

価格:

  • Starter 月額2,160円~
  • Professional 月額96,000円~
  • Enterprise 月額432,000円~

b→dash(株式会社データX)

メール配信だけでなくホームページ作成や顧客に合わせたポップ機能など、多くの機能を備えたツールで、自社に必要な機能だけを選んで導入することもできます。操作画面がわかりやすく、直感的に操作できるため、初心者でも使いやすいツールです。

価格:

要問合せ

List Finder(株式会社Innovation & Co.)

始めてMAを導入する、事業規模の小さい企業に向いているのがList Finderです。無料で機能をお試しできるフリープランや、導入後6か月間のコンサルティングを無料で受けられるなど、これから導入しようという企業に優しい設計がなされています。

価格:

  • フリープランあり
  • 初期費用 100,000円
  • ライト 月額39,800円
  • スタンダード 月額59,800円
  • プレミアム 月額79,800円

インバウンドマーケティングが有効な業種は今すぐ準備しよう

インバウンドマーケティングは顧客の関心を引きつけ、企業との長期的な関係性を構築するための効果的なマーケティング戦略です。事業規模の大小を問わず、多くの企業が取り入れ、成果を上げています。

インバウンドマーケティングは多額の予算をかけなくても、小さく始めることが可能です。しかし、ある程度の効果を上げるためには時間がかかり、またまったくの初心者であれば、コンサルタントや広告代理店などのアドバイスを受けながら始めた方が効果的な場合が多いでしょう。

まずは自社の製品やサービスを購入する顧客はどのような情報を求めているかを見極め、質の高いコンテンツを提供することから始めてください。

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代表 石井 輝光

貴社の社長にも質の高い国の経営改善・M&Aの認定機関として経営改革、資本性ローン等、地主・大家さんのタックス&コンサルティング、顧問等の支援を通してお伝えします。
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