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アパート一棟買いに失敗する7つの理由

カテゴリー: 不動産投資

アパート一棟買いは、安定的かつ効率的な収入源として、人気の不動産投資先のひとつです。反面、ワンルームマンション投資などと比較すると、初期投資額がどうしても高額になってしまうため、失敗すると大きな損失につながります。そのため、検討する際には一棟買いのリスクを十分に把握し、しっかりとしたリスク管理を行っておかなくてはなりません。

本記事では、アパート一棟買いの魅力的なメリットや失敗するリスク、そして失敗しないための物件選びのポイントを詳しく説明します。不動産投資を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

アパート一棟買いのおいしいメリット

アパート一棟買いによる高い収益性

アパート一棟買いは、高い収益性と安定した収入が期待できる不動産投資として人気を集めています。その魅力は、以下の点にあります。

  • 高利回り: 一棟アパートは、区分マンションと比較して、より高い利回りが期待できます。複数の部屋から家賃収入を得られるため、キャッシュフローの改善につながりやすいです。
  • 節税効果: アパートの建物は減価償却費を多く計上できるため、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
  • 資産価値の向上: 物件の立地や状態によっては、時間の経過とともに資産価値が上昇する可能性があります。
  • 経営の自由度: 建物全体を所有するため、リフォームやリノベーションなど、自由に物件を改修することができます。
  • 空室リスクの分散: 複数の部屋があるため、一部屋が空室になっても、他の部屋の家賃収入で補うことができます。

アパート一棟買いに失敗する7つのリスク

アパート一棟買いの魅力的なメリットの裏には、リスクの存在があることを忘れてはなりません。高額な投資となるため、失敗すると大きな損失に繋がる可能性も。ここでは、アパート一棟買いで失敗する可能性のある7つのリスクについて詳しく解説します。

失敗するリスク

1. 空室リスク

不動産投資の最大のリスクが空室リスクです。家賃収入が入らなくても、共用部の光熱費や管理会社への管理費など諸々のランニングコストは容赦なくかかってくるため、空室が長期化すると、ローンの返済が困難になり、経営が行き詰まる可能性があります。

日本賃貸住宅管理協会の「賃貸住宅市場景況感調査」 (2023年4月~2024年3月)の統計によると、首都圏や関西圏など都市部では、入居率95%→96%と、高い入居率で推移していますが、それでも3%程度の空室率があることを押さえておく必要があります。また、首都圏や関西圏の都市部を除くと、空室率はさらに高くなっています。

入居率推移

空室リスクが生じる原因として、次のものがあります。

  • 物件の立地条件
  • 周辺環境の変化
  • 競合物件の増加

物件を購入する際には、上記の点に注意する必要があります。

2. 賃料滞納リスク

不動産投資をする上で、空室リスクと並んで大きな問題となるのが、入居者による賃料の滞納です。賃料の滞納は、キャッシュフローの悪化を招くだけでなく、滞納者への対応という厄介な問題が浮上してきます。

最初に、実際に賃料の滞納がどのくらいの割合で起こっているかを見ておきましょう。日本賃貸住宅管理協会の調査によると、全国の月末での1か月滞納率は1.2%、2か月以上滞納率は0.5%となっています。

滞納率推移

全国的に見ても1%台の滞納率は比較的小さいリスクとはいえ、アパート一棟を運用するとなると見逃せないリスクのひとつです。賃貸料の納入が少しでも遅れた場合は、早期に対応することが求められます。

賃料滞納リスクが起こる原因には、次のものがあります。

  • 入居審査時の不備
  • 入居者の経済状況の悪化

3. 競争激化による賃料下落のリスク

賃貸需要の高い都市部でアパート経営を行う場合、周辺物件との価格競争になる可能性があります。特に周辺に新築物件が増えると、競争も激しくなるでしょう。そこで空室を避けるため、やむをえず賃料を下げてしまうと、収益悪化を招いてしまいます。購入前に、地域の供給状況や競争力を事前に調査し、魅力のある物件を購入するだけでなく、購入後は定期的な清掃やリノベーションなどで付帯設備の見直しを行うことで、賃料を下落させない工夫が必要になります。

賃料下落のリスクが生じる原因には、次のものがあります。

  • 物件の経年劣化
  • 周辺環境の変化
  • 長期入居者からの値下げ交渉

4. 物件の老朽化による修繕費のリスク

築年数が古い物件は、初期費用が安い反面、修繕費用がかさむ可能性があります。特に、屋根や外壁、水回りなどの大規模修繕が必要になると、収益が大幅に削られます。しっかりした資金計画を立てないまま、手を出しやすい物件を見つけ、焦って不動産経営に乗り出したような場合に陥りやすいリスクです。

また、築年数がそれほど経過してなくても、メンテナンスが不十分だと、築年数以上の経年劣化を起こしている場合もあります。物件の購入時には、専門家による入念な調査が必要です。

物件の老朽化による修繕費のリスクが生じる原因には、次のものがあります。

  • 建物の築年数
  • メンテナンスの頻度
  • 立地環境

5. 管理会社の選定ミスのリスク

アパート一棟買いの場合、物件の管理は管理会社に委託することになります。しかし、委託する会社が不適切だと、空室率が高まったり、入居者対応が不十分だったりするリスクがあります。管理会社を選定する際には、管理体制や評判をしっかり確認することが重要です。

管理会社選定ミスをしてしまう原因としては、次のものがあります。

  • 管理会社の知名度だけで選んでしまう
  • 実際の管理業務を確認せず、営業担当者の説明だけで選んでしまう

6. 金利上昇のリスク

変動金利のローンを利用している場合、金利が上昇すると毎月の返済額が増え、経営が圧迫される可能性があります。アパート一棟買いの場合、購入時に金融機関からの融資を利用することになるため、金利の上昇をある程度見越した上で資金計画を立てる必要があります。

金利上昇のリスクが生じる原因として、以下の点に注意することが重要です。

  • 中央銀行の政策
  • 市場の金利動向

7. 立地環境のリスク

地方には「企業城下町」や「学生の街」などの、特定の企業や工場、大学由来の賃貸需要が生じる地域があります。そうした地域は物件価格が都市部に比べると格安でありつつも、賃貸需要の面では安定しているため、投資対象としては魅力的な立地環境といえます。しかし、1つの賃貸ニーズ由来の地域では、工場や企業、大学の移転や閉鎖・倒産などがひとたび起こると、たちまち人口が減少し、賃貸需要の低下に直面します。

購入を検討する際には立地環境のリスクが生じる原因となる以下の点に、注意が必要です。

    企業・大学など主要機関の動向

    地域の人口動態

    産業構造の変化の影響

失敗しないアパート一棟買いの物件選び

アパート一棟買いで失敗しないためには、物件選びが最も重要なポイントです。以下に、失敗を防ぐための物件選びのポイントを解説します。

アパート一棟買いで成功

1. 立地の魅力を見極める

物件の価値を決める最大の要因は立地です。具体的には、以下の条件を確認しましょう。

  • 駅からの距離:徒歩10分以内が理想
  • 生活利便性:スーパーやコンビニ、学校、病院などが徒歩圏内にあるか?
  • 将来性:地域の人口動向や再開発計画を確認する
  • ターゲット層に合うエリア:学生向けなら大学の近く、ファミリー層なら住宅街を選ぶ

2. 収益シミュレーションを行う

購入前に、家賃収入と経費を詳細に計算し、投資の収益性を把握することが重要です。

  • 利回り:利回りには表面利回りと実質利回りがある。物件価格に対する家賃収入の割合を見る表面利回りだけでなく、運営時や購入時にかかる経費を考慮に入れて算出する実質利回りの両方を比較する
  • 空室率:周辺の市場データを基に適切な数値を設定する
  • 修繕費や管理費:長期的な維持費を考慮に入れる

専門家の助けを借りて、シミュレーションはできるだけ正確に行う必要があります。それを元に、無理のない経営計画を立てましょう。

3. 物件の状態を詳細に確認する

中古物件を購入する場合、建物の状態や修繕履歴を確認することが重要です。建築士やインスペクターなど、専門家の助けを借りて、入念に行いましょう。

  • 築年数と構造:耐震性が高いかどうか
  • 修繕履歴:適切にメンテナンスされているか
  • インフラ設備:給排水管や電気設備に問題がないか

4. 管理会社の選定を慎重に行う

良い管理会社は、入居者の満足度を高め、空室率を下げる重要なパートナーです。選定時には以下を確認しましょう。

  • 管理実績:似た規模やタイプの物件での経験が豊富か
  • 対応力:トラブル対応や入居者募集を迅速に行ってくれるか
  • 手数料:管理費用が収益の許容範囲か

5. 地域の賃貸需要を把握する

物件の収益性は、地域の賃貸需要に大きく依存します。以下の点を調査し、実際にさまざまな時間帯に現地を訪れ、地域の状況を把握しましょう。

  • ターゲット層の人口:学生、単身者、ファミリーなど、対象層の人口は十分存在するか
  • 競合物件:周辺のアパートやマンションの稼働率や家賃水準はどの程度か
  • 雇用環境:企業の立地状況や雇用状況が安定している地域か

6. 購入価格が適正かどうかを見極める

物件価格が高すぎる場合、利回りが低下します。以下を基に、宅建士などの専門家と相談しながら、適正価格を判断しましょう。

  • 周辺相場:同じエリアの類似物件と比較する
  • 収益性:価格と家賃収入のバランスをシミュレーションする
  • 融資条件:借入金額に対する利回りが無理のない範囲かどうかを検討する

7. 法的リスクを回避するための確認作業を行う

物件購入前に法的なチェックを怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。この面でも宅建士などの専門家の手を借りることが重要です。例えば、以下のような点がポイントになります。

  • 建築基準法:物件が違法建築でないか
  • 用途地域:目的に合った運用が可能か
  • 賃貸借契約:現在の契約条件に問題がないか

物件選びは、不動産投資の成功を左右する最も重要なプロセスです。事前の調査と適切な専門家への相談を通じて、失敗のリスクを最小限に抑えましょう。

まとめ

本記事では、不動産投資のなかでも高利回りといわれるアパート一棟買いを検討しておられる方に向けて、アパート一棟買いのリスクを中心に、あすかタックス&コンサルティングが解説しました。

アパート一棟買いは、空室リスクや賃料滞納リスクを始めとして、さまざまなリスクがあります。しかし、そのリスクが生じる原因を理解し、適切な対応策を取ることで、回避することが可能です。何よりも、適切な物件を購入し、アパート一棟を運用して利益を上げるためには、税理士や宅建士などの専門家と相談しながら、慎重に検討することが重要です。

あすかタックス&コンサルティングは、これまで多くの不動産投資のお手伝いをしてきました。不動産投資としてアパート一棟買いを検討しておられる方は、ぜひ無料相談をご利用ください。

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代表 石井 輝光

貴社の社長にも質の高い国の経営改善・M&Aの認定機関として経営改革、資本性ローン等、地主・大家さんのタックス&コンサルティング、顧問等の支援を通してお伝えします。
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